名古屋大学考古学研究室
Nagoya University Archaeology Research Laboratory
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梶原 義実
全国の国分寺瓦および在地寺院の瓦を実見した著者が、地方独自の瓦に注目し、文様と製作技法の両面から、各地の瓦生産システムの実相を復原。分布論的研究を超えて、造瓦組織が相互に連関・影響し変容する様を地域的・時間的な比較によって把握し、従来の国分寺瓦像を刷新する力作。
梶原 義実
6世紀末の飛鳥寺の造営以降、全国各地には数多くの寺院が建立された。大きな労力を伴う寺院造営が、なぜこれほどまでに流行したのか。造営場所に選ばれた立地(景観)に着目し、近江・伊勢をはじめ、東は上総・下総、西は豊前・筑前までの多くの事例を詳細に検証。祖先信仰や開発拠点、水源祭祀など、地方社会のなかにおける寺院の多様性を探る。
中川 朋美(第4章分担執筆)
文化進化というアプローチは当然に生物進化のアナロジーである。文化の継承とその過程での変異の蓄積という進化的な視点が役に立つのだ。そして考古学という営みもまた、文化進化の対象である。日本考古学が有する膨大なデータを様々な角度から考察し、数理的手法を用いてデータに基づく文化の歴史科学を構築するための基盤を提供する。
特に考古学分野で注目される三次元データ。遺物整理に三次元計測が手軽に使えるようになった。従来の二次元実測図とは異なる活用が期待されるとともに、本書では新しいデータベースとするための計測方法やその解析、保存の問題も議論。さらには人類史研究ならではの学際的アプローチで解釈の「基盤」作りに取り組んだ成果を紹介する。
山本 直人
多様な自然環境のなか縄文人はどのように暮らしていたのだろうか。生態学的な観点と方法論によって、縄文時代の自然環境や経済基盤、精神文化などを包括的に考察。縄文時代の歴史像を再構築する。
北陸能登地方を舞台に、さまざまなデータの分析から縄文早期~弥生前期における地域社会の変遷を追い、画期の背景を解明する。同著者の『縄文時代の生業と社会』の続編というべき書。
石川県南部を対象に、縄文時代後晩期の人と自然環境の関わりについて多様な視座から分析し、当該地の地域社会の変遷を明らかにする。
本書では、最新の加速器質量分析(AMS)による年代測定法と考古学の融合研究を行うことで、縄文時代の終焉年代がこれまでよりも500年ほど古くなることを明らかにし、新しい年代観のもとでどのような時代像が描けるのかを明らかにする。そのほか、植物学・歴史学・民俗学との融合研究の実践例を示し、考古学による学際研究のあり方を提言する。
山本 直人
生態考古学の方法と研究史について述べた後、縄文時代の植物採集活動について論じる。根茎類食料化に関する民俗調査と事例研究を重ね、結論を導く。
伊藤 伸幸
建造物・石彫・生業・権力と信仰から先古典期文化の特徴を解明。先古典期文化を構成している集落や都市に暮らす人々の姿をうつし出す。
マヤ文明より前、中米で興隆した最古の文明「オルメカ」についての詳細を簡潔に解説する。我が国初めての単独での概説書。